ストーカー
空が遮られる。

加地の顔が覗く。

彼は笑っていた。


「加地ー! 私を裏切ったの!?」


紀山の荒げた声。

「残念だ、紀山さん。ここでお別れだ」

「アンタの事をばらしてやる!」

加地は嫌味な笑みを魅せた。

「どうぞどうぞ。今更、訴えても僕は捕まらない」


「どうゆうこと!?」


「どうして捕まった僕がここにいると思いますか?」


紀山の顔が青ざめてくるのが、目に浮かぶ様だった。

私の視界から見える加地は、まるで悪魔の様だった。
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