ジャック ザ リッパー
殺人鬼を捕まえているくせに男は呑気だった。
彼の正面にいる女はもう安全だと判断したらしく、落ち着いた態度をしている。
背後の男はがさがさと音をたててなにかを取り出したらしい。
カチカチという音が聞こえた。
「あーもしもし、こちら第三班。ただいま星を捕まえましたどーぞ」
耳障りなノイズと共に、低くて甘い男の声がした。
『ご苦労さん。
今行くから逃がすなよ』
「お腹すいたー」
『知るか』
ブチッと何かが切れる音がして、声は絶たれた。
男はため息をついて取り出した何かをまたしまう。