ジャック ザ リッパー



殺人鬼を捕まえているくせに男は呑気だった。


彼の正面にいる女はもう安全だと判断したらしく、落ち着いた態度をしている。



背後の男はがさがさと音をたててなにかを取り出したらしい。


カチカチという音が聞こえた。



「あーもしもし、こちら第三班。ただいま星を捕まえましたどーぞ」


耳障りなノイズと共に、低くて甘い男の声がした。


『ご苦労さん。
今行くから逃がすなよ』


「お腹すいたー」


『知るか』



ブチッと何かが切れる音がして、声は絶たれた。


男はため息をついて取り出した何かをまたしまう。




< 13 / 40 >

この作品をシェア

pagetop