苦くて甘い。〜君が教えてくれたコト〜
「えっ………と。
あんまおいしくないかもだけど………
良かったら食べてね!」
柏原は小さい声で口早に言って、
そさくさと去っていく………
残ったのはあいつの甘い香りの余韻と、
あいつが置いていった物のみ。
それは白い星の柄付きの透明な袋の中にピンク色のペーパークッションが入っていて、
赤リボンがついたビニタイで縛られていた。
その中には歪な形のチョコレート。
ビニタイに付いていたメッセージカードには『元気出してね!』という柏原の文字。