愛花
私は祖父に藍野まりのショーの話をした。

祖父は驚いて、

゛なぜ藍野まりを知っているんだ。″

私は雅美と藍野まりの話をした。

祖父はいつもと違って険しい顔をしていた。

゛あーや、おまえに初めて出来た友達だし、何も言うことはないが…藍野まりのショーに行くのは賛成出来ない。おばあさんには言ったのかな?″

゛まだ…おじいちゃまに聞いてから言うつもりだったから…どうしてもだめ?″

゛これだけはだめだ。後でゆっくり話してあげよう。″

゛……″

私は祖父に反対されるとは思っていなかったのでショックだった。

夕食の後、祖父は私を部屋に呼んだ。

゛この部屋で話すのは初めてだね。圭織とはよく話していた。いいことも悪いことも…″

゛お母さんも絵を描いていたの?″

゛そうだよ。そして恋をした。片想いで終わっていたら今頃他の人と結婚してあーやが産まれてあーやも幸せな生活を送っていただろうに…″

゛おじいちゃま、私は今のままで充分幸せよ。寂しいなんて思うことなかったし、絵を描くことを教えてくれたし…″

゛そういってくれるのは嬉しいがやっぱり圭織を失ったのは悔しいし、悲しい。あーやの父親のことを悪くは言いたくはないが、道連れにする事はなかっただろうに…″

祖父は悔しそうに言った。
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