黒騎姫―Princess of black knight

「話は聞いています」

「協力してくれるか?」

 もっちろん! そのために来たんだし。

 あたしは無言でうなずいた。

 クールに、そう、無言でね。

 謎の勇者『黒騎姫』が軽々しくしゃべっちゃ、神秘性が損なわれるでしょ?


「黒騎姫が参加してくれるなら、私の策は万全です」

 軍師のチャザだ。

「魔王フランが猶予を与えるとしたら一日。そう予想して、すでに魔物退治の段取りは済んでいます」

 若いがキレ者という評判通り、良い仕事をしている。

 アルバードのところへ『跳ばした』甲斐があったわ。

 レジスタンスの構築のカラクリは簡単。
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