黒騎姫―Princess of black knight

 あたしは気を取り直して、仕切り直した。

「最初の質問に答えてもらいましょう。貴女はどなたです?」

「ヘガーテ」

「ヘガーテ……さんは、敵ですか?」

「人間に戻りたいのだろう? ならば私は味方だよ」

「……」

 安易に回答するのは危険かも知れない。

「いまは『刻』ではない。いずれまた会おう」

「待っ!」

 氷の女は姿を消した。

 転移魔法だ。

 余計な話で惑わされながら、斬れる間合いに詰めたのに。

 それを察知したのかも知れないけど。
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