黒騎姫―Princess of black knight
「シモンに任せるわ。良きに計らって頂戴」
「かしこまりました」
シモンは少しも困った素振りを見せない。
なんだか悔しい。
そして、オルトロスの赤ちゃんを連れて行こうとした。
まさか殺処分とか……。
「どうするつもり?」
「寝室へ放り込んでおきます」
「シモンの?」
「フラン様の」
「は? なんで!?」
シモンは小馬鹿にしたような目をした。
「酒瓶を毎晩抱いて眠るより、犬を抱く方がマシでしょう」
くっ……言い返せない!