黒騎姫―Princess of black knight

 ……結局、あたしはアルバードを信じ切れなかった。

 というか、アルバードの周りの重臣たちや、王家の伝統とか、そんなのが信じられなかった。

 ううん、アルバードが護ってくれると信じるべきだったんだと思う。

 あたしは、アルバートへ魔王との取引のことを正直に話した。

 それで、世界の半分を支配することになったけど、あたしは人間の統治と同じ風にするから大丈夫って。

 なんでか、妙に焦って、言い訳っぽく話した覚えがある。

 アルバードは、悲しそうな顔をして去って行った。

 その顔を見て、あたしは自分が大きな失敗をしたことに気づいた。

 そして、気づいた時にはもう手遅れ……。
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