僕は
 須山が仕事をしている合間に、僕と江美は失礼を承知で、食事を取りにいく。


 新宿にもランチ店がある。


 ここは歓楽街だ。


 派手な看板は立っていても、安い店が多い。


 それに仕事が終われば、江美は六本木の自宅マンションに戻るし、僕も新宿の1Kの部屋に帰っていた。


 二千円とちょっと出せばある程度の食事が出て、取り終わると、スイーツとコーヒーが付いてくる。


 食に贅沢さを求めることはほとんどなかった。


 実際、夜遅くまで居残っていれば、事務所関係者が出前のラーメンなどを人数分取ってくれていたし、そっちの方が現実的に割安なのだ。


 業務は続く。


 その合間にランチを取るし、夜は夜で恋人同士のことをしていた。


 大抵、僕が江美のマンションに行き、そこで体を重ね合う。

< 102 / 359 >

この作品をシェア

pagetop