僕は
 そして行為が終われば、シャワーを浴びて、夜の十一時ぐらいにタクシーで帰宅していた。

 
 僕もイソ弁ではあるものの、金はちゃんと取っている。


 それに弁護士は大抵報酬がいい。


 もちろんピンからキリまでだが、僕の事務所でも平均年俸は五千万とか六千万とかで、生活に困窮することはまずない。


 やはり厳しい司法試験を潜り抜け、それ相応のハードルを通過してきた人間たちは皆、高い金を取る。


 そこら辺りにいる大企業の社長などよりも返って高い報酬を受け取っていた。


 おまけに細かい調査に関して掛かった金などは事務所が負担してくれる。


 だから全く困らないのだ。


 調査費は後で事務所に書面で提出すれば、所の経費で落ちる。


 僕も江美も、そして須山や高階のように先輩弁護士たちも、ちゃんと業務関係の費用の領収書やレシートなどは取っていて、随時事務所に提出していた。


 その日はたまたま時間があったので、ランチ店で食事とお茶を楽しんだ後、事務所に戻
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