僕は
第21章
     21
 店に入り、須山がウエイターに朝限定の定食を二人分頼んだ。


 そしてお冷をがぶ飲みしながら、軽く息をつく。


 今回の裁判でかなり疲れているようだ。


 僕も同情していた。


「須山先生もお疲れでしょう?」


「ああ。……ただな、園岡、弁護士は3K労働だからね。きついと思えよ」


「それは分かってます。私も心がけてますから」


「ならいいけど」


 須山は口数が少ない。


 普段ずっと個室で資料を読んだり、パソコンのキーを叩いたりしているからだ。


 多分、仕事で逆に疲れやストレスを発散しているのだろう。


 それは傍から見ている僕でも分かる。

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