僕は
という声が聞こえてきた。
――ああ、俺、敬一だけど。……何か用?
「ええ。今からお茶でもしない?」
――どこかいい場所あるの?
「うん。今、東京拘置所出たところでしょ?六本木のカフェ<クレルール>に今から来て。奥のテーブルで待ってるから」
――分かった。すぐに行くよ。じゃあね。
僕が電話を切り、車を走らせ続ける。
さすがに疲れてはいた。
殺人罪の被告人と会ってきたのだから。
大きな仕事である。
その人の人生が決まるわけだし。
仮に無罪である木崎が法廷で死刑などを言い渡されたら、僕の弁護士人生も狂わされる。
――ああ、俺、敬一だけど。……何か用?
「ええ。今からお茶でもしない?」
――どこかいい場所あるの?
「うん。今、東京拘置所出たところでしょ?六本木のカフェ<クレルール>に今から来て。奥のテーブルで待ってるから」
――分かった。すぐに行くよ。じゃあね。
僕が電話を切り、車を走らせ続ける。
さすがに疲れてはいた。
殺人罪の被告人と会ってきたのだから。
大きな仕事である。
その人の人生が決まるわけだし。
仮に無罪である木崎が法廷で死刑などを言い渡されたら、僕の弁護士人生も狂わされる。