僕は
 それは僕も分かっていた。


 弁護士として弁護士バッジを付けている以上。


 そして事務所でお世話になっている間は上司である須山に逆らえない。


 幸い須山も僕と江美の仲は知っていて、認めてくれているようだった。


 まあ、今すぐ結婚とかそういった類の話は進まないのだが……。


 それに僕も結婚していてもおかしくない年齢だし、江美も同様だ。


 いつかは必ず一緒になれる関係だと思う。


 強い絆で結ばれているのは、事務所内にいる人間なら誰もが知っていた。


 そして今日も業務に励む。


 江美はすでに仕事を始めている。


 僕も、


「また後でね」


 と言って、自分の部屋へと急ぐ。
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