僕は
 書き綴った作品をネット上の投稿サイトなどに載せると思う。


 一度閉ざしてしまった道をまた歩き出すんじゃないか。


 確かに弁護士をしながら、作家業をやるのは悪くないだろう。


 執着もあるようだったし。


 元々須山は読書が好きだったらしい。


 ずっと学業や仕事の合間に本を読み続けているようだった。


 法律をやっている人間で、字を追うのが苦痛な人間などいない。


 現に須山は速読が上手かったし、読解力も並外れていた。


 文章に親しんできたからだろう。


 学生時代はずっと古典から近現代の名作、そして文芸雑誌などまで読み続けてきたようだ。
 

 文学部に行ったからには当然か……?


 それに文学から法学の方に転向するというのにはかなりの勇気がいる。


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