僕は
第4章
4
六本木の目抜き通りにあるカフェ、クレルールは基本的に若者が利用する店だ。
入店時に定額支払っておけば、コーヒーも紅茶も飲み放題である。
店に入っていき、江美が座っている席を見つけた。
「敬一、待ってたわ」
「君、事務所抜け出してこんなところで油売ってていいのか?」
「ええ。ちょっと落ち着く場所で、木崎朱莉さんの受けた殺人容疑に関して調べてたの」
「もしかして、そのノートパソコンで?」
「そうよ。あたしもさすがに事務所は喧しくて、なかなか仕事がはかどらないの。高階先
生は書類の整理とか、データの打ち込みなんかやらせるし」
「仕方ないよ。高階先生は商法が専門だろ?ずっと電子資料読むのが仕事なんだし」
「うん。それに今年九月に起きた都内の企業内部での二十億円規模の背任事件で、被害に遭った会社に出向かれた実績があるしね」
「そう。だからあたしはあの先生には頭が上がらないの。基本的に弱い者の味方なんだから」
六本木の目抜き通りにあるカフェ、クレルールは基本的に若者が利用する店だ。
入店時に定額支払っておけば、コーヒーも紅茶も飲み放題である。
店に入っていき、江美が座っている席を見つけた。
「敬一、待ってたわ」
「君、事務所抜け出してこんなところで油売ってていいのか?」
「ええ。ちょっと落ち着く場所で、木崎朱莉さんの受けた殺人容疑に関して調べてたの」
「もしかして、そのノートパソコンで?」
「そうよ。あたしもさすがに事務所は喧しくて、なかなか仕事がはかどらないの。高階先
生は書類の整理とか、データの打ち込みなんかやらせるし」
「仕方ないよ。高階先生は商法が専門だろ?ずっと電子資料読むのが仕事なんだし」
「うん。それに今年九月に起きた都内の企業内部での二十億円規模の背任事件で、被害に遭った会社に出向かれた実績があるしね」
「そう。だからあたしはあの先生には頭が上がらないの。基本的に弱い者の味方なんだから」