僕は
 ずっと働き詰めなのだが、そういったことは欠かさない。


 単に弁護士という仕事であるだけで。


 僕も常に弁護士バッジを付けている。


 未熟者だが、弁護人として磨きを掛けるつもりでいた。


 少々のことは気にならない。


 と言うより、気にしても仕方ないのだ。


 弁護士である以上、食いはぐれることはないのだが、やはり疲れる。


 激務なのだし。


 おまけに刑法が専門である以上、木崎朱莉のように殺人の嫌疑が掛けられた人間の弁護も引き受けざるを得ないのだ。


 定食屋に入り、朝の定食を二人分頼んだ須山がお冷を一口飲んで、


「君は一体どういった動機で弁護士を志望したんだ?」


 と訊いてきた。 

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