僕は
第28章
     28
 まだ三箇日なので、事務所は開いてない。


 単に僕や須山など、年末から居残っていた弁護士が仕事をしているだけで、事務所の固定電話などが鳴ることはなかった。


 年明けだが、資料の整理に追われる。


 須山が言っていた一月半ばの日弁連の新年会は必ず出席しないといけない。


 去年は忘年会がなかった。


 その分、今年は新年会で盛り上がろうというわけだ。


 確かに弁護士にとって、会合やパーティーなどは頻繁にある。


 ずっと資料ばかりを読んでいるとか、クライアントと会ったり、接見などに行ったりするだけじゃないのだ。


 ちゃんと弁護業務もビジネスとして成り立っているのだから、その手の集まりを通じて仕事をもらってくる。


 ゆっくりしている暇はなかった。


 その分、ずっと疲労が溜まっている。

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