僕は
 この事務所を作ってきた先輩弁護士たちには感謝しないといけない。


 イソ弁でありながら、やっと仕事らしい仕事が回ってくるようになった。


 木崎の弁護にサブとして付いただけで、一回りも二回りも成長出来ている。


 今、この事務所で働けるのも同僚たちだけでなく、先輩たちからの引き立てがあってこそだった。


 そして同時にもう一つニュースがある。


 須山の所長就任と同時に、高階が副所長になるということだ。


 高階も数々の難事件で弁護士として働き続けている。


 昇格があってもおかしくないだろう。


 それに僕も江美が普段から相当高階に教え込まれているのを知っていた。


 都合が悪いことも教えられてこその弁護人である。


 これからも彼女とはずっと一緒にいられるだろう。


 こちらからいろいろと相談することもあると思われた。
< 204 / 359 >

この作品をシェア

pagetop