僕は
「ああ。でも、病気してる君をパーティーに連れて行くわけにいかない。マンションで一晩ぐっすり休んで。急遽欠席することは、俺の方から須山先生と高階先生に報告しとくから」


 と言った。


「ごめんね。迷惑掛けて」


「大丈夫だよ。あくまで無理するなよ」


「ありがとう」


 車は反転し、六本木方面へと走り始める。


 ずっと彼女を見ていた。


 日弁連の会合は常会に忘年会や新年会などを含めて、年に数度ある。


 僕も慣れているのだった。


 この手の会合が結構頻繁にあって、弁護士同士で食事を取りながら、意見交換などがあることを。


 大概立食式だ。
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