僕は
 彼女は服用した風邪薬が効いているからだろう、眠気が差しつつあるようだ。


「じゃあまたね。お休み」


 そう言って扉を閉め、室外へと歩き出す。


 江美は新年早々風邪を引いていたらしい。


 弁護士業務は疲労が溜まるので、体調管理が大事だ。


 歩いてマンションを出、タクシーへと舞い戻る。


 パーティー会場となるホテルの名前を告げて走らせた。


 ずっと仕事で走り続けていると辛い。


 ちょっと休みたくなるときもあった。


 だけど弁護人はいつ仕事が来るか分からない。


 クライアントはいつも電話やメールなどで弁護を依頼してくる。


 もちろん拘置所に拘留されていれば、接見にも行く。


 そして裁判が始まれば、法廷で徹底して争う。
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