僕は
 確認して、必要な分には返信を打つ。


 クライアントは電話してくるか、メールで相談するかのいずれかだ。


 僕もこの事務所で弁護士として在籍する以上、ちゃんと所のホームページには顔写真とメールアドレス、それに個室直通の電話番号などの個人情報を載せている。


 どうしても僕に弁護を頼みたいというクライアントもいた。


 そういった場合、一度会うことにしている。


 刑事事件で弁護を頼まれる以上、面会の必要性はあった。


 相手がどんな容疑を掛けられていても、ちゃんと話を聞き、こちらが落ち着いていることを伝えれば、必ず意思疎通が出来る。


 それがなければ弁護人として、弁護をする資格はない。


 一定の責任を持たされるのが弁護士だった。


 十分分かっている。


 その日も午前中は内勤だったが、午後からは東京拘置所に接見に行った。


 言われもない嫌疑を掛けられている人が拘留されているとなると、どうしても放ってお
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