僕は
 大学時代も野球のサークルで定期的に体を動かしていたので、体力に関しては自信がある。


 まあ、野球サークルと野球部じゃ、全然違うのは分かっていたにしても……。


 その日、江美を事務所まで乗せていった。


 すでに警備員が来ている夕方五時以降に帰り着く。


「お疲れ様でした」


「お疲れ」


 事務所内は先に帰る弁護士と、遅くまで残る弁護士に分かれていた。


 一応個室は持っていたので、出入り口で四桁のIDと七桁のパスワードを入れ、指紋認証もし、部屋へと入る。


 この事務所は全弁護士に個室が与えられていた。


 そういった意味では僕のような下っ端と、上の人間たちは対等だ。


 同じ弁護士なので。


 ガラス張りの僕の部屋から須山の部屋が見えた。
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