僕は
て」


「法曹家として当たり前のことだからな。法律の勉強ぐらい」


「時代に応じて変わるからね。あたしもちゃんとやらないと若手に押されちゃう」


「俺も君も十分若手だよ。まだイソ弁だしな」


「でも須山先生が所長になられて、高階先生が副所長になられたら変わるわ。四月からは新体制で事務所がスタートすると思うし」


「そうだな。俺たちも頑張らないと」


 気を入れ直して、また資料を読み込むため個室へと舞い戻る。


 さすがに事件がこじれていた。


 野川は自分が発火装置を仕掛けて、ビルを焼いた罪を山井さんに擦り付けたいらしい。


 警察の捜査は続いていた。


 異例である。


 この手の事件で捜査本部が再度立ち上がるというのは。
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