僕は
第5章
     5
 その夜、僕は出前の天ぷら蕎麦を食べて、遅い夕食を取り終わった後、事件に関係する書類に見入った。


 確かに江美が昼間、クレルールでお茶を飲みながら言っていた通り、このままだと不当逮捕、そして起訴処分までされた木崎は裁判に掛けられる。


 殺人罪だと明らかに被疑者の方に悪い心証が行きやすい。


 そこを何とか防がないといけないと思った。


 ずっと書類を読み続ける。


 午前零時を回った頃、ドアがノックされる音がした。


 椅子から立ち上がって、出入り口まで歩くと、


「俺だ。須山だ」


 という声が聞こえてくる。


「あ、すみません」


 慌てて扉を開けた。

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