僕は
第37章
     37
 警察による誤認逮捕ということで山井さんは釈放され、追って警察は野川義勝の行方を探っていた。


 警視庁や、事件の際に管轄だった新宿中央署の刑事たちが僕宛に資料を送ってくる。


 それにずっと目を通し続けていた。


 仮に野川が逮捕・起訴された場合、誰が弁護するのだろう……?


 そればかりが気になっている。


 もちろん野川にも弁護士が付く。


 野川の弁護だけはやりたくなかった。


 あの人間がビルに発火装置を仕掛け、建物ごと焼いてしまったのはほぼ間違いない事実だからだ。


 一応刑事事件でも被告人には弁護人がちゃんと付くのだし、司法の場で裁かれるときは、その法廷をリアルタイムで見てみたかった。


 一体野川が神聖な法廷でどんなことを言い出すのだろうかと思いながら……。


 確かに弁護士は法廷で検察官と戦う。
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