僕は
 日本の刑事事件の根幹を揺るがすような代物だ。

 
 連日、朝から法廷に詰めていると、多数の証人たちが宣誓して証言する。


 発言の一つ一つが重たかった。


 やはり野川のような犯罪者を許すことはないのだろう。


 裁判の様子はちゃんとICレコーダーに録音して、後で事務所にてパソコンで起こしていた。


 こういったことは欠かさない。


 裁判は進んでいく。


 もちろん連日証人が証言して、それを記録係が記録し、判事と左右二人の陪審、それに裁判員六名が見守る。


 裁判員制度が導入されてまだ日が浅いのだが、刑事事件でも裁判員の判断が付くようになっていた。


 証人調べが終わったら、即第一審の判決が下る。


 僕たち弁護士にとってもこの事件の裁判は、実に重大なことだった。
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