僕は
第39章
39
「一、野川被告に死刑を言い渡す」
判事が第一審での判決が記載された罪状を読み上げ始めた。
「被告人は不特定多数の人間が集まるビルにタイマー式の発火装置を仕掛け、発火させてビルを丸ごと焼き払い、死傷者を出させて世間を騒がせた。人の生存権を踏みにじるだけでなく、放火という手段を使って殺傷させたこのような犯罪は到底許されるものではない。よって極刑で贖うのが妥当だと考えられる。以上」
罪状の朗読が終わった後、被告人席の野川義勝は項垂れている。
判事が、
「本日はこれにて閉廷いたします」
と言った。
裁判の第一審が終わる。
原告の検察官がそっと笑みを浮かべていた。
対照的に弁護人の川谷が、
「……負けだな」
「一、野川被告に死刑を言い渡す」
判事が第一審での判決が記載された罪状を読み上げ始めた。
「被告人は不特定多数の人間が集まるビルにタイマー式の発火装置を仕掛け、発火させてビルを丸ごと焼き払い、死傷者を出させて世間を騒がせた。人の生存権を踏みにじるだけでなく、放火という手段を使って殺傷させたこのような犯罪は到底許されるものではない。よって極刑で贖うのが妥当だと考えられる。以上」
罪状の朗読が終わった後、被告人席の野川義勝は項垂れている。
判事が、
「本日はこれにて閉廷いたします」
と言った。
裁判の第一審が終わる。
原告の検察官がそっと笑みを浮かべていた。
対照的に弁護人の川谷が、
「……負けだな」