僕は
 二月半ばの、事務所が休みの日の午後三時に僕と江美は会って、ティータイムを過ごした。


 ちょうど彼女のマンションが近い、六本木の街のカフェで。


 お茶を飲んで歓談すれば楽しめる。


 遠慮は要らずに。


 そのとき食べたスイーツの味が実に甘かった。


 やはり洋菓子は美味しい。


 江美も砂糖とミルクを注ぎ足した紅茶を飲みながら、ゆっくりと寛ぎ続ける。


 普段勉強している法律のことは忘れてしまって。


 横顔に楽しさのようなものがあった。


 互いにツーカーで通っているからいいのだ。


 いつもはお互いずっと、事務所の個室にこもって仕事をしているのだし……。
 
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