僕は
第40章
     40
「敬一」


「何?」


「旅行行けそう?」


「ああ、まあな。……君も業務の合間に、パソコンとスマホで旅行関係のサイト見てるんだろ?」


「ええ。まあ、特に行きたいって場所はないんだけど、半袖シャツで過ごせる常夏の島なんかがいいかも」


「俺もずっと休んでないから、疲れが溜まっててね。君となら、一緒に旅行に行くと楽しいし」


「ずっと業務が続いてたからね。しばらくは休みましょ」


「うん。野川の第一審も終わったことだし、控訴せざるを得ない川谷弁護士はお気の毒だけど」


「あの弁護士さんはお金持ちだし、テレビにもよく出てる人だからね。意地もあるんじゃない?何としてでも野川の死刑判決を回避したいっていう」


「まあ、そうだな。俺たちが首を突っ込む案件じゃないよ。疑われてた山井さんは釈放さ
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