僕は
われる。


　それは裁判に関して全くの素人の人間でも分かっていた。


　僕たちはずっと裁判の行方を見守り続けるつもりでいる。


　まあ、警察の再捜査により野川が真犯人として逮捕・起訴され、山井さんが釈放されたことはよかったのだが……。


　新宿中央署刑事課強行犯係の神宮警部がパソコンで作成した員面調書を、検察官の要請で裁判の証拠品として再送付したのは二月の半ば過ぎだった。


　もちろん事件当時のことが克明に記録されている。


　野川が作ったタイマー式の発火装置の仕組みや、火が点いた際の近隣のビル内の人間たちの様子、それに目撃証言などもちゃんと記載されていた。


　捜査に当たった刑事がこういったことを記録するのは当たり前である。


　そして神宮が送付した員面調書は裁判に際して採用となり、提出された後、審理に使われた。


　刑事裁判には捜査を担当した警察官提出の資料が一番重要な証拠となる。


　もちろん他の証拠品もあったのだが、今回の事件で一番の争点となるのは、野川がどう
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