僕は
 料理の最後にデザートとコーヒーが出て、〆になった。


「園岡さん」


「はい」


「また何かありましたら、東京地検までご連絡ください」


 高山がそう言って名刺を渡したので、僕も慣れない感じで名刺を手渡し、交換する。


 そして席を立った。


 二月の半ば過ぎの東京は晴れの日が続く。


 先に高山が食事代を清算し、レシートを受け取って、


「ではお先に失礼します」


 と言い、店を出て、通りでタクシーを拾った。


 そして僕も追うような格好で店を出る。


 疲れていた。


 心身ともに疲労・倦怠していたのだが、三月には休暇を取って江美と旅行に行く。
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