僕は
 もちろん読むべき資料はたくさんあって、収拾が付かなくなることもあると思った。


 商法も国会で部分的に修正が施されているから、順次変わっていくのだ。


 国会が唯一の立法機関であることに変わりはないのだし。


 それに彼女はある程度の年数、弁護士の仕事をしたら、後は法曹界から引退するつもりでいると思われた。


 つまり僕を候補に含めた誰かと結婚する気でいるようだ。


 僕もさすがに江美がそういった気持ちを持っていることは薄々勘付いていた。


 留める気はない。


 ただ、いつかは一緒になりたいと思っていたのだし、事実そうだ。


 結婚も視野に入れていていいようだった。


 確かに今、女性が強い時代なのだが……。


 ずっと独り身でいたら寂しいだろう。


 仮に彼女が事務所を退所し、預貯金などを取り崩しながら生活するにしても、いつかは金も底を付く。
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