僕は
 ゆっくりする暇が欲しい。


 確かに春めいてきている。


 もう厚手のコートは着なくても済んでいた。


 冬用の衣類はこの間、自宅に戻ったとき、大概クリーニングに出している。


 そして季節が変わる準備を整え、自宅のクローゼットから春用の衣類を取り出して、着ていた。


 ワイシャツは長袖だったが、すぐに半袖になる。


 春は短い。


 業務は続いていたのだが、合間にこうやってブレイクする。


 しばらく走り続けていたので、心身ともに疲労していた。


 彼女も新年度から副所長になる高階の下に付き、バリバリと弁護人の仕事をやるようなので、張り切っているようだ。


 所長の鎌田が新年度からの新体制が始まる前に、次期リーダーとなる須山や高階と協議し、要らない弁護士を残らず首にした。
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