僕は
 現に僕が担当する仕事は主に書類やデータの整理などできつい。


 だけどあと五年も経てば須山のようになれる。


 江美も自室へと入っていった。


 互いに三十代で、恋模様が映る。


 メガネを掛けた彼女は専門である商法の資料に埋もれながら、随時読み込んでいく。


 お互い東都大法学部出身者同士だ。


 何も言わずともツーカーで通る。


 互いに一日が始まった。


 そしてそれから数日が過ぎ、十月の半ばになると、街は休息に冬枯れる。


 これからまた厳しい季節が訪れるのだ。
 

 何にも増して。


 木崎朱莉が巻き込まれた殺人事件の証人調べが東京地裁で執り行われるのは十月末だ。


 能島検事が主任弁護士の須山と真っ向から対立する。
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