僕は
 やはり弁護士事務所で勤務し続けていると、外の世界が分からなくて、ギャップが出てくるのだろう。


 確かにいつもは朝から晩まで一日中詰めっぱなしだからだ。


 ゆっくりと待ち続けた。


 やがてテーブルが空き、英語で書かれたメニューが置いてあったので、開いて見始める。


 この程度の英語なら、読み書きが出来る。


 互いに事務所内にて、英語で書かれた資料などに目を通すこともあったのだし、普通にメニューの英単語ぐらいはスイスイ読めた。


「中華料理のセットものでいいよな?」


「ええ」


 江美も頷いたので、近くにいたウエイターを呼び、


「このセットを二つ頼むよ。あと、ドリンクはジンジャーエールをくれないか?」


 と言った。


「かしこまりました」
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