僕は
 ウエイターがオーダーを手元の端末に打ち込み、一礼して離れていく。


 しばらくダイニングから見える夜の海を見続けていた。


 湾内に停泊しているクルーザーは絶えず光を放っている。


 夜景は絶好だった。


 彼女が、


「ここでしばらく過ごせるわね」


 と言ってきたので、


「ああ」


 と頷き、注いであったお冷を飲んだ。


 生水じゃなくていったん煮沸されてから冷やされたもののようで、安全だ。


 暑いので喉が渇く。


 渇きを覚えれば誰でも水分が欲しくなる。


 滞在期間中はミネラルウオーターを買うつもりでいた。
< 322 / 359 >

この作品をシェア

pagetop