僕は

第６章

　　　　６
　十月半ばのとある夜、都内のホテルで開かれた日弁連の会合に出席した。


　会合自体、定期的に行なわれている。


　僕自身初めて行った。


　確かに会合には法曹界の大物が集(つど)っている。


　僕も江美も末席でビールを飲みながら、参会していた。


　普段の仕事の疲れはこういったところで癒える。


　一定の緊張感はあったのだが、何もお酒や食事が喉を通らないことはない。


　単に会そのものに幾分威圧感があっただけで、それ以外は別に普通の会食パーティーだ。


　立食式の。


　日弁連は弁護士の組合である。


　一応弁護士登録した全ての弁護士に入会の手続きが取らされていた。


　組合らしく、いろんな仕事のアポイントメントを取ることも出来る。