僕は
 何せ、水分は絶えず蒸発する。


 体の中もカラカラに乾いていた。


 キャップを捻って一口口を付けると、いくらか生温い液体が喉奥に入ってくる。


 僕も江美も午前中と同じパラソルの下で寛ぎ続けた。


 普段頭痛の種になっていることも忘れられる。


 夕暮れが迫り、太陽は西の水平線の彼方に沈んでしまう。


 その時を見計らって、そっと口付けを交わした。


 キスすることで愛情が確かめられる。


「……しょっぱい」 

  
 彼女がそう呟いたので、僕も思わず笑ってしまう。


 互いの愛がクロスして、しっかりと絡みつくのが分かった。


 ビーチからホテルへと向かう。


 さすがに丸一日太陽に焼かれて、日焼けもしていた。
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