僕は
 そしてキスし終わった後、


「いつまでも一緒にいような」


 と言った。


「ええ。あたしも誓うわ。ずっと一緒に」


 一度契りを結んだ以上、戸惑うことは何もない。


 離れずにいるつもりだった。


 この桜の木々が毎年ずっと花を咲かせ続けるのと同じように、永遠の愛を誓い合えている。


 もう青春という年代じゃないのだが、ピュアな気持ちに変わりはない。


 ゆっくりと歩を進めるつもりでいた。


 お互いいろんなことを感じ合いながら……。


 今の花が散ったとしても、また一年後には桃色をした花弁が開く。


 春という季節はどうしても眠気が差してしまい、居眠りしそうになる。
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