僕は
第7章
   7
「園岡君」


「はい」


 日弁連の会合が終わって数日が経ち、十月も下旬に差し迫った頃、須山が僕の部屋の扉をノックした。


 呼ばれたので、室内から、


「今開けます」


 と言って立ち上がり、扉まで歩いていく。


 連日、いろんな資料が回されてきていた。


 ほとんどがワードで打たれ、メールに添付されて送られてくるのだ。


 それをずっと読むのも仕事の一環だ。


 もちろん合間に雑用などをこなすこともあるのだが……。


 書類は一応プリントアウトし、紙に印字してから読んでいる。


 オンライン上だと何かと疲れるので。
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