僕は
「そりゃそうだよ。君なんか入所して間がないんだから、いくら刑法が専門でも殺人事件の弁護は出来ないって思う」


「だからサブとして、でいいんですよね?」


「ああ。俺がこの弁護で主任を務めるから、君は脇に座ってて俺が喋る際に資料を回してくれればいい」


「分かりました。もっと経験を積んでいきますから」


「そうしてくれ。俺も君には期待してる。いずれ何か新証拠等が出てくれば、知らせてくれ」


「はい。今回の仕事では須山先生のお手伝いをさせていただきますので」


「ああ。何としてでも木崎さんを救おう」


「そうですね。頑張ります」


 そう言って頷き、デスクの上に乗っていたパソコンを見ながら、また業務を再開する。


 さすがに疲れることに変わりはない。


 やはり殺人罪というと重たい罪だが、木崎朱莉は何者かによって嵌められたのだ。

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