僕は
「大事な公判の前だけど、ちょっと息抜きしない?」と。


 どうやら彼女は南青山などにある幾分高めのレストランを予約したらしい。


「ああ、そうだな。しばらくは泥沼になりそうだし」


 そう言って会食に応じる。


 切羽詰っていたのだが、幾分気持ちを整え、裁判に臨むつもりでいた。

 
 あくまで須山の組下という形で。
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