僕は
中央席に座っていた裁判長が口を開く。
「速記官に命じます。ただ今の発言は記録から削除してください」
能島が軽く髪を掻き揚げ、
「更に証人にお伺いをいたしますが、事件発生時のホテル内においてナイフやロープなど極めて殺傷能力の高いものを持っていた人物を見かけませんでしたか?」
と訊いた。
「あの木崎って女性が持っていたと思います」
「それは間違いのない証拠でしょうか?」
「異議あり!ただ今の検察官の質問は被告人に対する罪の擦(なす)り付けと見て取れます。撤回願います」
再び裁判長が、
「今の検察官の質問は裁判記録から削除してください」
と言った。
それから二言三言、林との会話が続き、その後、須山が弁護側の証人に質問する。
「速記官に命じます。ただ今の発言は記録から削除してください」
能島が軽く髪を掻き揚げ、
「更に証人にお伺いをいたしますが、事件発生時のホテル内においてナイフやロープなど極めて殺傷能力の高いものを持っていた人物を見かけませんでしたか?」
と訊いた。
「あの木崎って女性が持っていたと思います」
「それは間違いのない証拠でしょうか?」
「異議あり!ただ今の検察官の質問は被告人に対する罪の擦(なす)り付けと見て取れます。撤回願います」
再び裁判長が、
「今の検察官の質問は裁判記録から削除してください」
と言った。
それから二言三言、林との会話が続き、その後、須山が弁護側の証人に質問する。