僕は
第11章
     11
 洗面所で洗面して、髭を剃り落とし、髪の毛を整える。


 スタイリング剤などは一切付けない。


 髪は自然な方がよかったからである。


 洗面所を出て、キッチンへと歩き出す。


 江美がコーヒーを飲んでいた。


 僕も一杯淹れてもらった分を飲みながら、


「やっぱ十一月って冷えるよな」


 と言った。


「ええ。あたしも敬一も若くないから、しっかり防寒しておかないと風邪引いちゃうわ」


「そうだな。体調気を付けないとね」


 互いにそう言い合いながら、キッチンでコーヒーを楽しむ。


 エスプレッソで淹れてもらっていたコーヒーは活力となる。

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