僕は
 弁護士は食いはぐれない。


 資格でも一番取得するのが難関なものなので、給料がよくて、困ることは何一つとしてなかった。


 ただ言えるのは普段ずっとクライアントと電話で話をしたり、拘置所に接見に行ったりなど、雑用と呼ばれるものの方が多いのは確かだ。


 それに訴訟などが起こされた際に、被告側に国選弁護人がつかなかった場合は私選弁護人がつくのが通例である。


 そういった場合、指名されるケースもあった。


 僕も何度か刑事訴訟を引き受けたことがあったし、実際、今回の事件は須山の下に付いているのだが、単独で弁護人として裁判所で弁護をすることもある。


 そのようなときはかなりの量の資料を持って出廷する。


 裁判というのは実に大変だ。


 国のシステムでも司法・立法・行政のうちの司法で、裁判所は国会・内閣と並び、三権分立の一つだったからである。


 任務は当然重い。

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