僕は
 被告人に罪がない場合もあるのだから、やはり弱い者の味方にならざるを得ない。


 大変である。


 弁護士バッジに憧れるだけで司法試験を受けようとする人間には「止めておけ」と言うだろう。


 重責だからである。


 何にも増して。


 その日は午後から会議室で、須山と打ち合わせがある。


 木崎朱莉の裁判に関して、だ。


 今後のことについて話をしておかないといけない。


 仕事はいくらでもある。


 単なるお手伝いだけじゃなくて。


 いつか須山のように重大な事件の訴訟の行なわれる法廷で活躍してみたいと思っていたのが本音だったし……。
< 78 / 359 >

この作品をシェア

pagetop