僕は
第13章
13
十一月半ばに、木崎朱莉の裁判の第二回目の証人調べが東京地裁において執り行われ、その日のうちに第一審も結審する。
やはり検事の能島は弁護人の須山を攻められなくて、弁護側の方が圧倒的に優勢だった。
木崎が犯人じゃないと断定できる証拠は山ほど揃っている。
それにどう考えても、この女性が新宿のラブホテルの一室に呼び出された段階から、嵌められているのは間違いなかった。
不当な形で殺人罪の嫌疑を掛けられたのは紛れもない事実だ。
ケータイの番号を知る誰かから呼び出され、部屋に着たときには、すでにベッド上に死体が遺棄してあった。
真っ先に110番通報して、警察に死体の第一発見者として事情を話したのも、真犯人を逮捕するのに協力する形で、だ。
だけどその行為が警察にとって心証の悪いものだったらしい。
僕も確かに木崎には同情する。
なぜ事情聴取した警察官が彼女を犯人だと決め付けたのか……?
十一月半ばに、木崎朱莉の裁判の第二回目の証人調べが東京地裁において執り行われ、その日のうちに第一審も結審する。
やはり検事の能島は弁護人の須山を攻められなくて、弁護側の方が圧倒的に優勢だった。
木崎が犯人じゃないと断定できる証拠は山ほど揃っている。
それにどう考えても、この女性が新宿のラブホテルの一室に呼び出された段階から、嵌められているのは間違いなかった。
不当な形で殺人罪の嫌疑を掛けられたのは紛れもない事実だ。
ケータイの番号を知る誰かから呼び出され、部屋に着たときには、すでにベッド上に死体が遺棄してあった。
真っ先に110番通報して、警察に死体の第一発見者として事情を話したのも、真犯人を逮捕するのに協力する形で、だ。
だけどその行為が警察にとって心証の悪いものだったらしい。
僕も確かに木崎には同情する。
なぜ事情聴取した警察官が彼女を犯人だと決め付けたのか……?