僕は
 依頼人が弁護に掛かる費用を支払うので、弁護士はそれを受け取り、引き受けた案件に関しては徹底して調査などを行なう。


 そして被告人を全面的に弁護するのだ。


 商法だと特殊な場合を除いて、民事で済ませられる場合が多い。


 それに商法専門の弁護士以外にも、民事訴訟法専門の弁護士が担当するケースがある。


 あくまで専門が法律上分けられているだけで、どの弁護士も一通りのことは知っていたのだし、弁護人さえ付けば大抵どういった裁判でも審理(しんり)が始まる。


 検察官はその点大変だ。


 同じ法曹界にいても、給料は弁護士と桁が一個違う。


 安い報酬で日々駆り出されるのが検事の実態なのである。


 僕は司法試験を受ける前に、最初から弁護士を希望していた。


 単に報酬の問題じゃなくて、弱い人を助けたいと思ったからである。


 実際、弁護士をやっていると3K労働で疲れるのだが、構わなかった。


 法律的にどういったことでその人間が罪に問われているのか、そして裁きまで受けざる
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