僕は
 細かいところまで事件を調べ上げないと、犯罪を断定する根拠とはならない。


 ずっと関係資料を読み込んでいた。


 納得が行くまで。


 そして一度成立していた仮説を作り直すということも。


 弁護人は何かと忙しい。


 ふっと書類から目を逸らし、須山のいる部屋の方を見ると、須山はしっかりと仕事していた。


 メガネを掛けて、関係資料を読み続けている。


 僕は次の裁判でも須山のサブに付くつもりでいた。


 やはり殺人事件の弁護はまだ無理だ。


 現段階ではお手伝いで精一杯である。


 そして丸々三日間掛け、資料を読み込んだ。


 全ての証拠が出揃う。

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