双華姫~王の寵姫~
志高の本気を感じた那智は必死に抵抗するが・・・・志高の力には敵わない。



「志高・・・様・・・・辞めて下さい・・・お願いですから・・・辞めて下さい」


涙を見せるのは嫌だったが、溢れてくる涙を那智は止められない。



志高はそんな那智などお構いなしに、那智の首に口づけをおとす。



-チュ-


那智の体に悪寒が走る。



「・・・・辞めて・・・くだ・・・さ・・・い」



志高の顔を必死に押しのけながら、那智は何とか志高に分かってもらおうと懇願する。



それが志高の心を・・・更に刺激するとも知らずに。



「やめない。お前は私のモノだろう・・・?」



那智の心は壊れそうになる。



(妾は・・・・モノなのか・・・)



まるで那智を生きていない人形のように言う志高に・・・・那智の心は悲鳴を上げる。



「お願いです・・・辞めて・・・・」



それでも辞めない志高に・・・何かが那智の中で切れた。








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